暴力で戦争なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の暴力で戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月27日の時点で一番の暴力で戦争なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

90.7 1 暴力で戦争なアニメランキング1位
風の谷のナウシカ(アニメ映画)

1984年3月11日
★★★★★ 4.2 (1970)
12656人が棚に入れました
極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人々と出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

声優・キャラクター
島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正、辻村真人、京田尚子
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

風の谷の伝説のナウシカ

「風の谷のナウシカ」原作既読
原作の壮大な物語の一部を切り取って映画化した作品です。

久石 譲さんの美しい音、旋律は風の谷のナウシカの完成度を完璧なまでに高めてくれています...

終末後の世界...
「腐海」と呼ばれる人間が住むことの出来ない毒の森が広がる世界は独創性に満ち溢れ圧倒されます。

腐海の毒が届かない「風の谷」に住むヒロインのナウシカ。

自然を愛し蟲の心を理解する彼女は腐海も含めた、この世界全体の共存を望み進むべき道を探します。

ナウシカは目に映るものばかりにとらわれず、自分の信じたものを大切にし、そして大切なものを守れる強さを持つ。
そんな優しさと強さを併せ持つナウシカは私の永遠の憧れ、私の中で不動のNo.1ヒロインです!

{netabare}
共存や人々の争いの終結の願い、 平和を身を挺(てい)して訴えるナウシカに何度泣かされたことでしょう。


腐海と人類を結ぶ架け橋。古の伝説の救世主としてこの世界に再び蘇った彼女の姿は、美しく、涙なくしては見られません。
{/netabare}

風の谷のナウシカの音楽は久石 譲さんが担当。やはり宮崎 駿さんと久石 譲さんのコンビは素晴らしい。


~久石 譲in武道館~
連れていってもらえたのは幸運でした。エントランスに「宮崎 駿」さんから久石 譲さんへ贈られた華やかな祝スタンドの花があり興奮しました!

久石 譲さんのピアノを聴き、音色、曲、同時に流されたジブリの映像に魅了されました。
音楽に対する情熱を目の前で受けとめ鳥肌が止まりませんでした。

中でも「風の伝説」「鳥の人」には特に強い思い入れがあります。
幻想的な光景が目の前に浮かび上がるようで、時に激しく素晴らしい曲です。
ストーリー、音楽共に長年に渡り愛され続けていくことでしょう…
このような素晴らしい作品を世に生み出してくれて本当にありがとうございます!

「思い入れ5つ星作品です!!」

投稿 : 2024/12/21
♥ : 113

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ジブリの初作品

やはりジブリは初期の頃の作品の方が素晴らしいですね。
腐海とそこに生きる生態系の斬新な世界観から、人間と自然の共存についてのテーマや人間の愚かさなどを明確にこの作品は表現されていて良かったです。
ワクワク、イキイキするような展開はなくシリアスで暗い内容ではありますが、見ていてこの作品の世界観に引き込まれました。
また主人公の女の子にすごく好感が持てます。
無鉄砲なところもあるけれど、純粋で強く優しく思いやりがあってまさに聖女。
声優が「めぞん一刻の管理人さん」の人っていうのも良いキャスティングでした。
生物達がちょっと気持ち悪い・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

優しさと怒り、心の強さと弱さ

何回目の視聴なのかわからない、金曜ロードショーでの視聴。

【自然と人間の対立?】
現実世界では自然破壊により人間に自然は奪われていっているばかりで、自然は人間ではないので悲しみや怒りは存在しません。この世界では明確な自然の怒りが、自然を破壊しようとする人間に対して示されます。それにより生まれる人間の腐海への憎しみが常態化した世界になっています。
{netabare} しかし、実は腐海はかつて人間の汚染した土地を綺麗にしているという事実があり、人間は腐海と共生していくべきではないか、という道が示されます。
{/netabare}
また、この世界では人間が生存可能な土地を巡り戦争が続いていて戦争により自然の怒りを買い、土地が腐海にのまれることが頻発しています。結果的に合理的でない人間と人間の対立、戦争の愚かしさがみえてきます。

【優しさと怒りの対立】
{netabare}
ナウシカの特殊な特技は「虫の怒りを静める」というものです。ですが、その特技の根底には腐海と共生できるという考え方からくる虫への優しさがあるからこそ、虫の怒りを静められると思うのです。
ナウシカの優しさに対し、対立する怒りとは。それは、前述した人間の腐海に対する怒りや恐れ、王蟲の人間に対する怒りです(そこには生存領域を脅かす人間への恐怖が存在しているのかもしれません)。
腐海への恐れや人間への憎しみに借られた人間が起こした王蟲の風の谷への誘導作戦は、女性たちの哀れみや慈愛により放たれたナウシカは風の谷へ向かうことができました。

子供の王蟲が怒りで我を忘れて酸の海に入ろうとするのをナウシカは止め、そこで王蟲はナウシカに優しさを向けます。また、その子供王蟲とナウシカをはね飛ばしてしまう王蟲の軍勢はナウシカの自己犠牲により、その怒りを静めました。自己犠牲まで出来る蟲へのナウシカの優しさは、ある種の人間の理想なのかもしれません。優しさを実行する事は精神的強さが必要です。その強さに人は憧れを感じ、その簡単ではない優しさの結果に尊さを感じるのだと思いました。

そしてナウシカも自分の中にある怒りの強さに恐怖しています。人を殺してしまうほどの感情。
自分の中の怒りに恐怖していたナウシカが怒り狂った王蟲の軍勢の前に立つ。この時のナウシカは聖人のように怖さがなかったでしょうか?私は、ナウシカは怖かったんじゃないか?と思います。幼い頃に子供の王蟲が連れていかれるのをみて「殺さないで」というナウシカから、死への恐怖、別れへの恐怖はあったと思います。

ですが、自分の中の恐怖に打ち勝ち、あの場所にたったんじゃないでしょうか。打ち勝てた理由は、幼い頃から変わっていない、蟲と仲良くなりたい、共生出来るという思いがあったからだと思ってます。
恐怖によって生まれる憎しみや怒りが弱さなら、慈しみの心からくる優しさは強さであるという事を感じました。そういった感情を感じれるからこそ、「風の谷のナウシカ」は共感を得られるのかもしれません。
{/netabare}

【総評】
何度も見ているはずなんですが上手く言葉に出来ない感動がこの作品にはあります。

巨神兵の活躍のシーンや巨大な飛行機、戦闘機のドッグファイトなどが子供の頃は楽しみでした。

神秘的な腐海の姿や空を気持ちよく飛ぶナウシカのシーンも心地いい雰囲気があって好きです。

大人になって見てみると、苦手だったナウシカの幼少期のシーンも、ナウシカを説明するのに大切なシーンだなと少し感動しました。

ナウシカのように優しく強い人になってほしいと思いが伝わって来ました。何度でも機会があれば見返したい作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 52

70.1 2 暴力で戦争なアニメランキング2位
コードギアス 亡国のアキト 第1章「翼竜は舞い降りた」(アニメ映画)

2012年8月4日
★★★★☆ 3.7 (810)
4905人が棚に入れました
監督、脚本家、二人のプロデューサー――たった四人から、コードギアス』は始まりました。お金も、テレビ局も、出版社も、有名な原作も、何もないところからのスタートでした。それがテレビシリーズとして放映され、さらに続編の『R2』が深夜枠から夕方枠へと引き上げられたのは、多くのファンの応援のおかげでした。
あらためて感謝と御礼を言わせてください。本当に、ありがとうございました。最終回を終えた後、多くの方々から続編を望んでもらいました。それらの声に応えるにはどうすればいいのか。我々は再び集まり、話し合い、単純な「続き」ではなく「拡大」を選択することにしました。今回、その嚆矢として、赤根監督のギアスが実現することを、とても嬉しく思っています。今後、発表されていくだろう「拡大」も含めて、みなさんご期待下さい。

声優・キャラクター
入野自由、坂本真綾、日野聡、松岡禎丞、日笠陽子、藤原啓治、甲斐田裕子、川田紳司、茅野愛衣、石塚運昇、森久保祥太郎、小松未可子、瀬戸麻沙美、東山奈央、早見沙織、高森奈津美、伊瀬茉莉也、松風雅也、三宅健太、子安武人
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

赤根和樹 is come back ! 異国の地でぶつかり合う異邦人同士の血・・・ とりま【本家の事は忘れて下さい^^;】 to the "翼竜は舞い降りた"

実に4年の時を経て再始動したコードギアスシリーズの映像化作品第1弾


そもそもこのシリーズの続編を作って欲しいという声は古くから多数あったのですが、谷口監督をはじめとする旧メインスタッフの方々は完成されたシナリオに“単純な続き”を作るというつもりは無かったようで、今作のように“シリーズの世界観を広げる”という手法にあえて拘ったそうです


現段階で推測できる時間軸を考えると恐らく『無印』と『R2』の中間にあった空白の1年間に当たると思います








舞台となるのはブリタニアの猛攻に苦戦を強いられているにも関わらず、危機感の軽薄な貴族と世論の反応に慎重な政治家によって“荒廃した民主主義”がとられるユーロピア共和国連合
(『R2』中盤でユーロピア連合は著しく衰退していくのですが・・・)


ブリタニアの日本占領によって、国を追われることになったヨーロッパ滞在の日本人達
そんな肩身狭き日本人の若者のみで構成されたユーロピア特殊部隊の一人“日向アキト”
部隊を指揮する幼くも誇り高き軍人であり、頭脳と武勇を兼ね備えた美しい女性指揮官『レイラ・マルカル』
そして敵国ユーロ・ブリタニア内で暗躍し、アキトと同じ姓を持つ謎の男『シン・ヒュウガ・シャイング』


彼らの【守る国無きまま今日を生き延びるための死闘】が描かれるサバイバルアクション映画となっております







事前から告知されている通り、スタッフのほぼ全てが入れ替え
監督と脚本は『天空のエスカフローネ』以来の古巣であるサンライズ作品となった赤根和樹
同じく脚本には「バーディーに中野ブロードウェイを走らせたり」(http://www.anikore.jp/anime/1288)「佐天さんに補習を受けさせた」(http://www.anikore.jp/anime/1394)浅川美也
両者ともこれまでのコードギアスシリーズには一切関わったことはありません


今作でまず初めに目を引くのがナイトメアフレームの戦闘シーンがCGとなったことですね


テレビシリーズでは中田栄治、中谷誠一を中心としたメカ作画を得意とするアニメタの技量によって支えられていたメカニックアクションでしたが、今作の赤根監督は『ジーンシャフト』や『ヒートガイジェイ』などのサテライト作品時代のCGアニメ成長期よりメカ描写には3DCGを用いていたこともあり、上記の赤根作品や『アクエリオン』『マクロスF』など一連のサテライト作品、それと『インフィニット・ストラトス』等でもCG監督を務めた井野元英二が率いるチーム“オレンジ”が全てのメカ描写を担当
(オレンジつってもジェレミアじゃねーおw)


これが大変素晴らしく、テレビシリーズとは全くと言っていいほど異質な凄まじくスピード感に溢れる戦闘描写になっており見どころです!


ただ逆説的に捉えると、ユーロピア下で開発されたという主人公が駆る新型ナイトメアフレームの動きなのですが、これまでオイラ達が観てきたナイトメアという陸戦兵器(あるいは『R2』でのアニメらしいキャラクター性をわざと強調したスーパーロボット感)というそれらの概念を打ち破るような独特なものであります;


ナイトメアの特徴とも言える車輪による高速移動はせず爬虫類のように4足歩行で地を這ったり
スラッシュハーケン(ビルをよじ登ったりするときに打つアンカーです)や脱出装置を使用する描写も無く、世界観を引き継いでる作品にも関わらず違和感を覚えるかもしれません
(『R2』当時からユーロピアのナイトメアは独特の路線で描かれていましたが)


この辺りはメカデザにあきまんさんを起用した影響も出ていると思います


総作画監督にはこれまた旧テレビシリーズとは無縁だった島村秀一
これに関しては当人の技量とは別に、“単にキムタカさんの絵に似せているだけ”のような印象もありまして、セルソフト化の際に細かな(細か過ぎると言ってもいい)修正を加えるなど繊細な作画によって描かれていた旧テレビシリーズで目の肥えたファンにはクオリティダウンに見えてしまうかもしれません;


そして音楽も前作のダブルコンポーザーを潔くやめてJAZZYな楽曲を得意とする橋本一子の一択に
これは単純に好みだと思うのですが、前作なら黒石ひとみさんの幻想的なボーカル曲が流れるような切ないドラマシークエンスで普通にピアノソロが流れてくるのはある意味新鮮でした


前作の主題歌はタイアップ臭がわざとらしかったですが(好きだけどw)真綾と菅野よう子のタッグに託され非常に好印象


キャストには入野自由、坂本真綾、藤原啓治、甲斐田裕子、川田紳司、松風雅也といった赤根作品ではお馴染みの声優陣に加えて
端役に小松未可子、瀬戸麻沙美、東山奈央、伊瀬茉莉也などの若手が配されたことに前作からの時間経過を感じますね^q^








とにかくハッキリさせたいのは【反逆のルルーシュに思い入れのあるファンほど今作には期待を裏切られてしまう恐れがある】ことです
シェイクスピアを意識しつつも、結果的にはフィリップ・マーロウを引用することとなった前作と違い、改めてシェイクスピアと思しきシークエンスを混ぜ込んでみたり({netabare}お墓を建てると亡霊が出て来るシークエンスがそうじゃね?{/netabare})、谷口監督ならばまずやらんであろう『暗転の多用』とか、何から何までが“違う”ニューシリーズ


古きギアスを一時忘れ、「Newコードギアスを楽しんでみたい!」という勇気あるアニメファンにこそ扉を叩いて欲しいものです

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

heqijimmi さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前作とどうつながるかに期待!

第1章「翼竜は舞い降りた」、鑑賞了。

戦闘シーンの躍動感は前シリーズを凌駕。
グラフィックの細かさはもはや狂気といったレベル。
(制作スタッフの何人かは死んでるんじゃないか、って心配になるくらい)
ロボット戦闘の映像表現としては過去最高だと思う。

ストーリーは...
前シリーズの世界観を知ってるとずっとワクワクできる。
知らなかったら…なんともいえません。
(今のところは、前シリーズ売りの中二病的爽快感、笑いとかが無いからな~)

総評。
ロボ好き、戦争マニアは観て損なし。
物語をも楽しみたいならば、ルルーシュで予習を。
私は次回作も絶対に観る!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

zunzun さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

OVAだからこそ、多くの人に観てもらいたい力作。

待望のコードギアス アニメシリーズ新作。遅ればせながら先日ようやく視聴し終えました。

個人のレビュー順序から考えると、シリーズの原点である『コードギアス〜反逆のルルーシュ〜』にまず触れておくのが妥当でしょうが、敢えてここは、『コードギアス 亡国のアキト』を。それ程までに私にとっては印象的で素晴らしい作品でした。

と、息巻いていますが、本作、実はまだ未完です。ここでは現在までに公開されている第二章までのまとめレビューとさせて頂きます。

スタッフはTVアニメシリーズの谷口 悟朗監督から、「天空のエスカフローネ」、「ノエイン もうひとりの君へ」の赤根 和樹監督へとバトンタッチしています。個人的にはもうこの時点で胸熱なのですが、現在も愛されているTVアニメシリーズ終幕から第一章公開までに実に4年と時間も経っていたせいか、公開当時の私は他のアニメへ浮気していた事もあり、華麗にスルーしていました。。

...話を戻します。ビジュアル面について、本編に登場するメカニックのうちナイトメアフレーム (KMF) はTVアニメシリーズの『反逆のルルーシュ』『R2』では、ほとんどアニメーターによる手描きでしたが、本作ではオレンジが参加していることもあり、同社によるCG描画になっています。ここが大きなポイントです◎

本作の一番の魅力はOVAだからこそできる突出したビジュアルの美しさにあると私は思っています。一瞬コードギアスシリーズでは無い他作品を観ている感覚に陥る程、美しいです。キャラの作画についてはCLAMPのキャラデザの流麗で繊細な印象を更に活かした出来になっています。年齢別によるキャラの描き分けも素晴らしく、ここがTVアニメシリーズよりも優れている点かもしれないです。美形キャラだけではなく、歳を重ねた渋キャラが綺麗にちゃんと描かれてる。

背景は本作の舞台となるヨーロッパの文化と歴史を感じさせる空気感が上手く表現されています。森や平原、お城に町並みと、どこか上品な雰囲気が漂っていて、本当に素敵です。

そして、CGによるメカの表現がかなり自然で、上記の点と上手く調和を保っていることが一番の驚きでした。。特に冒頭の森での戦闘シーンは必見とも言えるほど美しく迫力があります。とにかく動きまくりで、2度ビックリ。

このビジュアルの衝撃は、個人的に『機動警察パトレイバー the Movie』や『フルメタル・パニック! The Second Raid』を観たとき以来の衝撃でした。とにかく凄いに尽きる。。

とここまで本編のストーリーの内容については触れませんでしたが、ここで少し触れておくと、本作はTVアニメシリーズの『反逆のルルーシュ』『R2』の間のお話で、時系列になっています。舞台はTVアニメ版では存在こそは明かされていたものの、実際にはほとんど登場しなかったE.U.での物語。主人公はルルーシュではなく、イレブンでありながら、E.U.の少年兵である日向アキト。本作での敵もどうやらブリタニアな様子。ヒロインでありE.U.の軍人であるレイラ・マルカルと共に、熾烈を極める強国ブリタニア軍との戦闘へと身を投じていくことになります。

ブリタニアといえば、TVアニメシリーズで描かれた皇帝シャルルの治める大国ですが、この『コードギアス 亡国のアキト』で登場するユーロ・ブリタニアはシャルルの血族では無いヴェランス大公(ユーロ・ブリタニア宗主)が治めるエリア。スタンドアローンで帝国最強にして皇帝直属の騎士であるナイトオブラウンズに匹敵する程の武力を持つ強豪エリア。なので、他エリアと比較しても一線を画している癖の強いエリアなのかも知れません。エリア総督をほぼ血族で固める皇帝シャルルとの関係も気になるところなので今後の展開にも期待ですが、二章の最後にスザクとあの男がE.U.の地に降り立ったことでブリタニア内部でも一波乱ありそうな予感です。

TVシリーズの魅力に、衝撃的な展開を衝撃的な早さで展開していくシナリオが挙げられるかもしれませんが、本作も伏線を幾十にも張り巡らしている印象なので、これからかなり期待出来ると個人的には思っています。大人も楽しめる劇的なピカレスク・ロマンに最高のビジュアル、これほどの力作は他に無いでしょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

66.4 3 暴力で戦争なアニメランキング3位
ベルセルク 黄金時代篇III 降臨(アニメ映画)

2013年2月1日
★★★★☆ 3.9 (157)
819人が棚に入れました
戦乱の時代、孤高の剣士ガッツは、長年共に戦ってきたグリフィス率いる傭兵(ようへい)軍「鷹の団」と一度はたもとを分かつことを決意する。
だが、その後、グリフィスが反逆罪で投獄されたと知ったガッツはかつての仲間たちと共に彼を牢(ろう)から救い出すことに。
ところが舌を抜かれ、両手足の腱を切られてひどい状態のグリフィスは、生きる気力を失っており……。

声優・キャラクター
岩永洋昭、櫻井孝宏、行成とあ、梶裕貴、寿美菜子、藤原貴弘、松本ヨシロウ、矢尾一樹、豊崎愛生、小山力也、三宅健太、中村悠一、竹達彩奈、大塚明夫

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャッチコピーは「すべては、因果の流れの中に──」

3部作のラストを飾る作品です。第2作目がPG12指定でしたが、この3作目はR15+指定となっています。
それだけ表現が過激になっているか・・・というと、ほぼ第2作目と変わらないと思います。

物語の内容については、分かりやすかった前2作とは異なり混沌が前面に押し出されていて、世界観を把握するのが少し難解です。
台詞は少なめ・・・映像と音響で状況や展開を理解する必要がありましたから・・・
きっとこの辺りは原作機読者や2クールのTVアニメ版を視聴済の方の中でも好みが分かれそうな作品だったと思います。

それだけでR15+指定の作品になる筈がありません。
混沌を描いた作品・・・或いは理解を要する作品はこれまで山ほど制作されており、それらはなんの規制も無く放送されていますから・・・

個人的私見ですが、3作目になって規制範囲が広がった最大の理由は、物語の展開上、決して避けては通れない「痛み」を感じるからだと思います。

視覚、聴覚を通して流れてくる情報・・・台詞だったり、時には息遣いだったりする訳ですが、それら全部が痛みを背負っているんです。

そしてこの「痛み」は、主眼を誰において視聴するかで「痛み方」の変わる作品だったと思います。

私も一巡目ではガッツに引っ張られて素直に激情しました・・・
何もかもが突然変わってしまって・・・世界はどうなっちゃったの?
え、なんでこうなっちゃうの・・・?
目の前で繰り広げられるのは、この世で最も見たくなかったモノ・・・
その無表情な眼差しは何処を見つめているの・・・?
そもそも何で受け入れたの・・・?
頭の中は???で一杯でしたが、胸の抉られるような痛みを伴う展開は留まることを知りません。
記憶に残る鮮烈なシーンだったと思います。

視聴後に物凄く胸がもやもやしたので、続けて2巡目を視聴した時に、ようやく「痛み方」の違いに気が付きました。

生きていたら誰かに寄りかかりたくなる時があるのは当然です。
緊張の糸だってずっと張り詰めたままじゃ切れてしまいます。
きっと切れる事で精神的なバランスが取れるのだと思います。

これまでは何もかもが上手くいっていた・・・
でもそれは一瞬にして崩れ去り・・・全ては過去の栄光に成り下がってしまった・・・
もう全ては変わってしまっている事を知っている筈なのに・・・
瞬間見えた幻が原因である事も分かっているのに・・・
でも・・・ずっと憧れだったんです。
ずっと手を伸ばしても届かなかったんです・・・
出来たのは嘆願だけ・・・
勿論、これが何を意味するのかは、支払った代償の大きさが教えてくれます。

もしかすると一番楽な選択をしたのかもしれません。
でもそう考えると自分の心に浅ましさを感じるので、額面通りの解釈をしておこうと思います。

でも、ここまでの事態を引き起こした張本人・・・絶対許されないでしょう。
その仮面の奥底はどんな顔をしているの・・・?
何を考えているの・・・?
本当の望みは何なの・・・?
その選択と言動に至る経緯が正直全く理解できませんでした。
いえ・・・理解したくなかったのかもしれません。

そして・・・再び立ち上がるところで物語は終幕を迎えます。

3部作の完結編・・・との事でしたが、物語的には全然完結していません。
2016年夏アニメの「新作」でこの続きが描かれる事になるんだと勝手に思い、勝手に楽しみにしていますが、このままじゃ終われないでしょう・・・
ガッツが目的を成就させない限り、この物語を終わらせられないでしょう・・・

劇場版3作の視聴を終えましたが・・・TV放送版「剣風伝奇ベルセルク」が気になってきました。
劇場版3作目の内容がどう考えても駆け足だったと思えたからです。
もう少し色々説明して欲しかった・・・様な気がします。
ただ、心の中がグチャグチャな状況でどこまで頭に入るかは疑問ですけれど・・・。

物語の世界観は好みでしたので一気見してしまいましたが、完走して思うのはこのモヤモヤを新作でしっかりガッツに解消して欲しいという事です。
今度はガッツが本懐を遂げられるように願っています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「原作通りの映像化」の言葉に嘘偽りなし!エログロアニメはココに極まる!で、次回作のご予定は・・・?σ(^^;)

ユーアー蝕っであります(爆
今思えば『剣風伝奇』は悪い作品じゃなかったわけですが(むしろもっと評価されるべきなのだが)あん時にあーしてほしいこーしてほしいってのが今作では遂に実現したんだと思います・・・


さて、三部作として予定されていた「ベルセルク・サーガ プロジェクト」遂に完結編
前作はシャルロット姫姦通の容疑でグリフィスが捕らえられるトコロまで
今回も特に前作を振り返るダイジェストのようなものはありませんのでご注意下さい


ガッツと鷹の団との合流~鷹の団再結成に向けてのグリフィス救出~そして蝕の発動
というベルセルクという作品の知名度を一気に押し上げたであろう名場面が描かれております


特に鷹の団を追い詰める暗殺者シラットとの戦闘や、グリフィス救出の際の脱出劇はCGアニメらしいスピーディーなカメラの回り込み等あって見どころでしょう


そしてなんといっても「蝕」です
思わず目を覆いたくなるような奇怪な世界観、おぞましい怪物、残酷で惨たらしい光景、、、前2作を耐え切った方なればとは思いますが改めて言っておきますが「グロ注意」です;
(ちなみにゴッドハンドが一人、ユービックだけは恐らくシリーズ中唯一キャストが剣風伝奇から変更されてない茶風林さんだったり)


オイラが前2作から注目していたCGに手書き作画を被せていくハイブリットアニメーションも今作でいよいよ完成形の域に迫り、特に鬼気迫ったガッツの怒りの表情など圧巻ですね


しかしまあ映倫は今まで何をしてきたのかw
第1作目のレーティングはG、過激な描写が多かった2作目はPG12ときて、ようやく今作で名誉(不名誉?)の【R18指定】を授かりました(笑)
特にエロ描写に関しては流石の映倫も目を瞑れなかったようです^^;
では前2作を観てきた若年ファンは今作を観れないのか?
ご安心下さい、制作側はその辺りを配慮し【R15指定】のバージョンを編集で作成し、ほとんどの劇場での公開はそちらの方がメインになっています
たぶん公開がズレ込んだのはコレを作っていたせい(笑)


【R18+】
・一部劇場の夜間のみの公開
・当初作成されたオリジナルバージョン
・エンドロール、エピローグの後には特に何もなし


【R15+】
・ほとんどの劇場ではコチラのみの公開
・内容やセリフの変更は一切なし
・カット数も全く同じで差し替えや足し引きもない
・一部過激なエロ描写のカットの明るさやコントラストを調整することでのみ対応
・一部BGMの変更(たぶん『クチュ音』がマズかったんだと思われw)
・エンドロール、エピローグの後に川畑要によるエンディングテーマに合わせて3部作のダイジェストが流れるテレビアニメのエンディング風の映像が挿入されるオマケ付き


最後のエンディングテーマに関してはほんとオマケなんであっても無くてもどーでもwって感じですが、R15+への対応を求められ画面の明るさを再調整した件については両方チェックしたオイラの目には「プラスになった」と映りました
と、言うのも全体がやや薄暗くなったことで世界観そのものに漂う暗い雰囲気を助長する演出効果、さらにはCGと手描き作画の境目を調和して“より物語に入り込み易い仕様”になっていると感じたからです
ですので劇場の都合やR18版への期待に関わらず『まずはR15版からご覧になっていただくこと』を強くオススメします


無事3部作とも完結することが出来たこのシリーズ
唯一に残念なのは普通に次回作のアナウンスがされるのかと思いきや未だ今後の展開の音沙汰は無しってこと;
いやいやwこれって結局ベルセルクって作品のプロローグ部分だけっすからねw
『剣風伝奇』の頃にもやられましたが思わずポカーンですよw
でもタダでは終わりません、今回の映画にはオイラのイチオシ『髑髏の騎士』が登場してます!
もうホントカッケーっすwあれだけ胸アツっすよw
原作ファンの方も是非チェックして下さいませ(`・ω・´)b

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18
ネタバレ

わさビーフ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

一度観ると脳裏から離れないエログロさ

1997年に放送された「剣風伝奇ベルセルク」のリメイク版
こちらは2012年から映画「ベルセルク 黄金時代篇」で3部作に分けて公開されて
その内容は「剣風伝奇ベルセルク」とほとんど変わらない。

最初は食わず嫌いだと思ったのですが全然違いましたね
食わず嫌いどころかめっちゃくちゃ面白い!!
一度観ると脳裏から離れない強烈なインパクトがあって
描写、表現特にこの2つは官能的で濃厚、またはバイオレンス
ただただエログロいだけではなく下地がしっかりと作りこまれているので
吸い込まれるような一度観ると止まらなくなる魔力的な何かがある作品だと思いました。

オススメは2部の後半から3部ラストまで{netabare}剣風伝奇ベルセルク
同様、原作を知らないと思ってもいなかった衝撃のラストが待っています。
えーと思うよな、どえげつなさです
{/netabare}
個人的にはエルフェンリートをぬいてエログロでは現在NO.1です。

現在2017「ベルセルク 次篇」鑑賞中
余談ですが「剣風伝奇ベルセルク」のOPも強烈なインパクトでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 16
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